こんにちは、サブ3サラリーマンです。
本日は、景気後退のサインとされている、逆イールドカーブについて説明したいと思います。これを理解することで、今後の景気後退局面(リセッション)についての準備、対応をすることができます。是非最後までご覧ください。
逆イールドカーブとは

逆イールドとは、短期金利が長期金利の水準を上回る状態(長短金利の逆転現象)を指します。一般的に、過度な金融不安や過激な政策変動により短期金利が急騰したことで生じるために、その発生後は景気後退が訪れるケースや株価が調整に転じるシグナルとされています。
現在の状況について確認

では、実際に現在(2022年7月23日)の状況はどうなのか??というところを確認したいと思います。
米国の2年国債と10年国債についてみていきます。
【 概 要 】
2年国債 ▶︎ 2年後に利息をつけて元本を返す ▶︎ 金利が低い
10年国債 ▶︎ 10年後に利息をつけて元本を返す▶︎ 金利が高い
お金を2年預けるより、10年預けた方が利息が多くなる!ということです。(当たり前ですね)
しかし!!
逆イールド状態では、それが逆転している「異常な状態」となります。
なぜか??
▶︎ 米国の政府(FRB)がインフレ(物価上昇)を抑えるため、一時的に金利を上げるため起こります。
▶︎ 金利は1〜3年程度かけて徐々に引き上げる ▶︎ 2年国債がこれを織り込むため、金利が上がります。
さらに!!
10年国債は、1〜3年後、インフレ解決後の景気後退における利下げの可能性を見越して、利下げを織り込みます。そのため、逆転現象が生じるのです。
【イールドカーブのイメージ】

本来、10年国債⤴️ 2年国債⤵️ となるべきところ、10年国債⤵️ 2年国債⤴️ となっています。
では、実際に本日(2022年7月23日)時点のイールドカーブの状況を確認いたします。


▶︎ 2年国債 2.972% > 10年国債 2.754%
つまり、「現在、逆イールドカーブ発生中!!」ということです。
なぜ逆イールドが景気後退につながるのか。

実体経済への影響としては、金融機関の貸し出しが減少することになります。金融機関にとって2年国債(短期金利)は預金や短期市場を通じた「調達金利」、10年国債(長期金利)は「貸出金利」にあたります。逆イールドが起きれば調達金利(2年国債)が貸出金利(10年国債)を上回ることになり、金融機関は貸し渋ったり、貸出金の回収を急いだりします。その結果、景気後退に陥りやすくなります。
ではいつ景気後退(リセッション)が起きるのか。

一般的に、利上げ開始時にサインが生じ、その後、1〜3年程度かけて利上げ実施 ▶︎ 利上げが完了し、その後の利下げのタイミングとなります。
【 直近3度の米景気後退で逆イールドが発生 ▶︎ 景気後退までは平均2年2カ月 】
米国は1990年以降、3度の景気後退局面を経験しています。米10年国債利回りと米2年国債利回りの動きを確認してみると、そのいずれにおいても、景気後退局面を迎える前に、逆イールドが発生しています(図表1)。これは、3月の米10年国債利回りと3カ月物TB利回りの逆イールド、また、昨年12月の米5年国債利回りと米2年国債利回りの逆イールドについても、同じことが言えます。
図表1、において、最初に10年国債利回りと2年国債利回りの逆イールドが発生したのは、1988年12月で、その1年7カ月後に景気後退局面を迎えました。次に逆イールドが発生したのは1998年5月で、その2年10カ月後に景気後退入りとなりました。そして次に逆イールドが発生したのは2005年12月で、景気後退はその2年後でした。つまり、逆イールド発生から景気後退まで、平均すると約2年2カ月を要していることになります。
【参考:三井住友DSアセットマネジメントより】


【参考】過去、逆イールドから景気後退まで米国株は上昇したが、日本株は下落
ダウ工業株30種平均の動きをみると(図表2)、逆イールドが発生した1988年12月から1990年7月の景気後退入りまで約34.0%上昇しています(月末値で比較、以下同様)。また、次の逆イールドが発生した1998年5月から2001年3月の景気後退入りまでは約11.0%上昇しています。そして、次の逆イールドが発生した2005年12月から2007年12月の景気後退入りまでは約23.8%上昇しています。
一方、日経平均株価は、同じ期間において順に約2.9%上昇、約17.0%下落、約5.0%下落しました。ダウ工業株30種平均とは対照的な動きになった理由として、当時の「バブル崩壊」、「金融危機」という、日本固有の問題が挙げられます(図表2)。過去の実績が必ずしも将来にあてはまるとは限りませんが、米国の逆イールド発生で、直ちに米国株や日本株の下落を連想する必要はありません。ただ、米長期金利の低下による「円高進行」は、日本株の上値をおさえる要因となるため、注意が必要です。
【参考:三井住友DSアセットマネジメントより】


まとめ

✅ インフレによる利上げの影響で、今後、景気の低迷(リセッション)が予想されます。
✅ インフレ(物価上昇) → 金利引き上げ → 金利引き上げ終了 → 景気後退となる。(過去の統計データでは、逆イールドカーブ発生からおよそ2年前後で景気後退(リセッション)入りしている。
✅ 金利が高いと、預金として預けた方が安全なため、株式は売られやすくなる。
✅ 対策として、現金比率(キャッシュポジション)を高めておく、現金以外の安全資産(国債・米ドル・コモディティ・ディフェンシブ株 など)に資産を組み替えておくなどが考えられます。
そちらについては、下記、関連記事も併せてご参照ください。
以上、今回は、景気後退のサインである、逆イールドカーブの説明と現在の状況について確認しました。過去の統計上、今後数年内に景気後退(リセッション)の局面が訪れる可能性があります。従って、予め、準備、対策をすることが重要となります。
私も、貴方と共に今後の調整局面に立ち向かっていきたいと思います。
本稿が少しでも参考になれば幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。